プラネタリウムドームに映し出されるパノラマ映像(スカイライン)は、プラネタリウム番組に於いてたいへん大きな演出効果をもたらします。効果的スカイラインと演出は観客に臨場感を与え、ストーリーの中に誘うことが可能です。最近は全天映像やオールスカイプロジェクターの出現で一層リアルな空間演出ができるようになりましたが、コストや安定した供給という面では、スカイラインはいまだ最も効果的な空間演出プロジェクターとして依存度が高と思われます。
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パノラマの種類
伝統的なフラットタイプは、1度に360°を写すことができますが、観客の視線がドームの見切り線の下にあるため、いわゆる井戸の中から見上げる形になってしまい、ホリゾンタル(地平線)の高い奥行きのある映像を写すことが難しいものでした。時には一方向にだけに焦点を絞った半周(180°)以下のスカイラインや部分スカイラインも制作されます。 それに対して、傾斜ドーム用のスカイラインは、1度に全周を写すことこそできませんが、ホリゾンタルラインを目の高さに合わせることができ、しかも、見おろした状態でかなり下まで映像が映し出せるので、フラットタイプに比べて奥行きを演出しやすいと言えます。
原画の形
1シーンずつゆがみ付けて描いたり(従来アメリカで普及していた)、模型を作って撮影したりする方法もありますが、ここでは、コンピューターを使って「展開した形の帯状の原板」を作り、そこから撮影条件に合わせて加工してゆく方法に絞ります。
原画の種類
ペイントソフトによる描画・紙に描く従来型とプロセスは同じ。フォトショップなどのソフトで描ける。
パノラマカメラによる写真を用いる・パノラマカメラの画像をパソコンに取り込んで加工する。
普通のカメラで撮影した分割写真を合成する・普通のカメラやデジタルカメラ、ビデオ映像も利用できる。
CGで作る・最近のCGは、自動的にパノラマ画像を描いてくれる。
スカイライン図法
通常の透視図では、直線はあくまで直線に描かれるので、球面のドーム状では湾曲して張り付いたようになってしまいます。ここで登場するのが、「等距離投影法」と呼ばれるもので、人の目からみた物体のスケールが距離によって連続的に変化する図法です。「等距離投影法」
スカイラインの撮影
チャートを作って撮影:「プラネタリウムスライド制作」参照
コンピューターでゆがみを補正してそれを撮影:フォトショップの置き換えマップを用いる時のチャート、他にドームとプロジェクター環境をCGで作成し、そこにパノラマ画像をマッピングして画像補正するという方法がありますが、解像度は落ちます。
シームレス処理:「プラネタリウムスライド制作」参照
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