スカイライン図法 |
等距離投影法
傾斜ドーム用タイプのスカイライン原画を制作するようになって、図法上の大きな問題が生じました。フラットの場合は絵の中が狭いためにそれほど感じられませんが、傾斜タイプでは、特に道路や建築物がでてくる未来都市の直線部分が、一般の透視図法ではドームに投影した時、大きくゆがんでしまいます。平面に真っ直ぐ描いた線は、湾曲したドーム上ではゆがんでしまうのは当然のことです。
ここで登場するのが、等距離投影法と呼ばれるもので、人の目からの遠近による物体のスケールが連続的に変化する図法です。魚眼レンズの写り方が、まさに、それに該当します。しかし、ドーム上のスカイラインは平面の上に描くため正確には左右の等距離図法化はできても、上下は不可能となってしまいます。よって、厳密には水平等距離図法と言った方がよいのかもしれません。
等距離図法によって描かれたスカイラインは、原画上では垂直線以外の直線がすべて歪んでいます。しかし、これをドーム上で見ると直線となり、すばらしい遠近感を生み出すのです。
回転式パノラマカメラで撮影した画像は水平等距離投影されたものです。
CGレンダリングによるパノラマ画像も同様です。
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